「T君がお父さんに話があるんだって。。。」
T君とは長女がお付き合いしている彼氏…
そのときが来たと感じた
思えば男にとってプロポーズとは違った、ある意味それ以上に緊張を強いられるのが相手方のご両親への結婚の許しを得るための面会
過去に来た道 自分はそうだった
だから長女の彼氏の気持ちは同じ男として痛いほどわかる
彼とは初対面じゃない
共に食事をしたことも、家に遊びに来たことも、我が家から一緒に日食を見たことも、ホームパーティーを楽しんだこともある
その間の二人を見ていていずれ一緒になるのだろうと漠然と感じてはいた
でも
でも、どこかでそのときが来ることから逃れようとしていた自分がいたことも否めない
長女から連絡を受けて彼氏と会う日を決めてから郷愁にかられる日が多くなって、娘との想い出がとめどなく溢れてきた
単なる父親の感傷といえばそれまで
いずれは苗字が変わることもわかっていたこと
しかし、それが現実味を帯びてくるとなかなか平常心ではいれない
テレビで漠然と見ていた新婦の父の心境が他人事ではなくなっていく焦燥感や
とても大切にしてきたものを目の前からゆっくりと奪われていくようないいようのない苛立ち
ふとそんな感情が湧き上がる日が続いた
当日最寄りの駅まで迎えに行き二人を乗せて車を走らせた
挨拶がいつになくぎこちない
長女と彼氏 僕と家内の四人での外食
極力いつも通りと思えば思うほど話題が見つからなくなる
家内がいつになく話題作りをしてくれていた
しかし、彼のそれは僕以上だったことは明白だった
食事を終えて自宅に戻り珈琲を淹れた
豆が膨らむわずかな時間が心なしか長く感じた
明らかにいつもと違う空気が流れる中、珈琲の香ばしいい香りだけはいつも通り
いや、いつもより際立っていた
たわいのない会話だけでいたずらに時間だけが過ぎていった
外で珈琲を飲もうと彼を誘ってバルコニーに出た
「タバコある？」
「あっ。。。はい」
彼が喫煙するのを知っていたから誘った
差し出された煙草を一本もらった
Marlboroか。。。
僕が数十年吸い続けてきたものと同じ銘柄
口にくわえるとライターの火を差し出してくれた
いつ以来だろう。。。
本当に久々に煙草の煙を吸い込んでゆっくりと吐き出した
彼も僕に続いた
二人雨に煙る街並みを見ながら時間が過ぎた
「話があるんでしょう。。。
二人っきりがいい？」
「いえ、皆さんで」
意を決したような即答に、精一杯の覚悟を感じ少し愛おしいくさえ思えた
「。。。そろそろ籍を入れたいと思っているんです」
想定外の直線的な表現に一瞬戸惑ったが
彼なりの強い覚悟を持った飾りのない心の言葉だと感じた
「いずれ来ることだと思ってたから
娘を宜しくお願いします」
張り詰めていた空気が一挙にやわらかくなった
それは
止まっていた時計の秒針が確実に動き出したような感じだった
多分
足踏み状態だった僕の想いの時計の秒針も、また規則正しく動き出したのだろう
娘に寄せる父の想いは
幸せになって欲しい、ただそれだけ
深い愛情を持って育んできた娘に
生き方を通して大切なことを伝えてきた
それを見て、感じて大人になった娘が生涯を共にすると決めた人
娘を信じます
近将来、息子ができます
一日中そぼ降る雨 ７月５日の出来事
この雨は涙雨
きっと嬉し涙の雨
Bettyboo (土曜日, 11 7月 2015 03:30)
読んでいて
凄く緊張しました
自分も通ってきた道だけど
改めて親の心模様を知った気がします
複雑な思いでしょうが
おめでとうございます♡｡｡｡
家族が増えるって
やっぱり素敵だと思います✩*( ¨̮ )*✩
いっちゃん (土曜日, 11 7月 2015 06:54)
ブログを開けたら晃ちゃんの
「いいね」がありこちらに来てみたらブログが更新されていて最初の1行目で何となく内容が解りドキドキしながら読ませて頂きました。
晃ちゃんの気持ち凄く解ります。
うちも先月同じ事があったばかりですから。晃ちゃんとことは違い初対面でしたから主人も私ももうドキドキしながらその時を待ちましたよ〜
お付き合いしているのは分かってましたが会うのは初めてでした。
私も主人も長女が選んだ人だから大丈夫と思ってたので安心ではありましたが(^^)
晃ちゃんの長女さんが選んだ方も素敵な方に間違いないですね。
おめでとうございます。
私もなんか凄く嬉しく思います。
煙草 駄目ですよ〜
その1本だけにして置いて下さいね。
でも、分かるな〜ｴﾍﾍ…( ´͈ ᗨ `͈ )◞♪
アール・マッカ (土曜日, 11 7月 2015 20:27)
晃ちゃん、おめでとうございます。
この日を迎えた晃ちゃんの気持ちがリアルに伝わってきました。
この日のことは一生忘れないだろうけれど、そうやって新しい家族の頁がまた刻まれていくんだよね。
息子ができて嬉しい……かな。
淺野salvatore晃一 (日曜日, 12 7月 2015 08:05)
Bettyちゃん、おはよう^ ^
コメントありがとう^ ^
そう、全て過去に来た道。。。
Bettyのご主人も僕もT君と同じ思いをして、そこを乗り越えて今があります^ ^
彼の緊張度合いは痛いほど伝わってきましたし
そのプレッシャーに耐えてる姿は愛おしくさへ思えましたよ、何せ次期息子です^o^
おっしゃる通り家族が増えるってとっても素敵で嬉しい事
今度は同性の息子です、同性ならではの楽しみが出来るとワクワクです(^_−)−☆
淺野salvatore晃一 (日曜日, 12 7月 2015 08:39)
いっちゃん、おはよう^ ^
驚き！いっちゃんのところでも同じ事が
同じ長女ちゃんで起きてたなんて>_<
奇遇だね〜(^^;;
僕のところは我が家に何度も遊びに来てるし泊まっていった事もある
外でも何度もご飯食べたりイベントに出掛けたりしてたから
もうこの結果は想定内、というかど真ん中のストライク>_<
でもね。。。
父親的にはわかっていても最愛の娘が結婚するとなると
娘が結婚したら嫁ぎ先にはもれなく僕が付いていく！を公言していたラテンオヤジ的には
「ハイハイ、ご無理ごもっともおっしゃる通り！持ってけ泥棒！」
とはいかない訳よ（笑）
せっかく息子が出来るんだから一緒に出来る事を探したいね^ ^
彼も飲むらしいから10年目のアルコール解禁にしようかな？
禁煙解除は。。。
駄目だよね>_<
淺野salvatore晃一 (日曜日, 12 7月 2015 15:30)
アールマッカちゃん、こんにちは^ ^
コメントありがとう^ ^
そうもうすぐで突然三十手前の息子ができそうです（笑）
我が家はフランク、いや僕がフランクなのかな？
なのでT君とはchojolyとお付き合い当初の頃から知ってます^ ^
娘の苗字が変わるのには寂しさもありますが
息子ができるのは嬉しい限り^ ^
男同士だから出来る楽しみを共有したいですね(^_−)−☆
夏カフェ (月曜日, 13 7月 2015 17:23)
師匠！おめでとうございます。
いつかは来るであろうその時を先延ばしにしたいと心のどこかで思う気持ちも父親にはあるでしょうか^ ^
しかも師匠にはもう一回ありますからね。
それはそれとしてとにかくもとてもおめでたいことではありませんか。
これからまた楽しみが増えましたね。
心からおめでとうございます。
カルボナーラも楽しみに待ってますね(*^_^*)
浅野salvatore晃一 (火曜日, 14 7月 2015 08:28)
マスター、ありがとう^ ^
父親心理ですね、まさに>_<
嬉しいけど手放しじゃない、有難いけど素直に受けれない。。。
まあ一時の感情ですよ^ ^;;
それにマスター教えられました、そうだ！もう一人いる（笑）
こっちは逆にいつまでもご縁がなさそうで今とは逆の心配をしないといけないかもしれない>_<
確かに楽しみは増えました^ ^
カルボナーラ。。。
普通に作るのなら「極み」のポイントも抑えることが出来るんですが水de戻してカルボナーラは、その前段階で実験が必要です（笑）
ちょっと水de戻すパスタに衝撃を受けて、思えば料理も科学^ ^
今はその方面に興味津々です^_<
コメントありがとう^ ^
nori (金曜日, 17 7月 2015 20:27)
お嬢様ご結婚されるのですね！おめでとうごさいます。ぴーんと張り詰めた空気が此方にも伝わってきました。娘は父親にとって特別な存在。何に変えても守って大切に育ててくれた父の事、亡くなった今でも感謝して居ます。きっと長女さんとうちの長女と同年代でしょうか？此方も結婚を前提に今おつきあいして居る彼がいます。幸せになって欲しい！気持ちと、寂しい気持ちと私も今交錯しております。
淺野salvatore晃一 (土曜日, 18 7月 2015 07:48)
noriちゃん、本当にお久しぶり！
でもってコメントありがとう、凄く嬉しいです^ ^
たまにnoriちゃんのペコリ部屋覗いたりtwitter見てみたりしてたけど
更新がなかったから旧ブログにコメントあった時は吃驚！
noriちゃんも元気そうで何より^ ^
noriちゃんの娘さんも結婚を前提にしてお付き合いしてる人がいるんですね。
いずれ来ることと分かっていても
それが現実化しそうになるとやっぱり平常心じゃいれないですよね>_<
でもその一瞬が過ぎれば正に夢ある諦観。
noriちゃんも覚悟して（笑）
のんたんママ (月曜日, 27 7月 2015 11:50)
ご無沙汰しております！
つ…ついに〜！！！
その時がきたんですね！！！
私も5年前、その娘バージョンでその時を体験したなぁ〜って、重ねて読ませてもらいました〜
しかも私は出会ってすぐに紹介→半年で結婚ってな感じで、度肝を抜かれた父は動揺を隠せず、横断歩道でこけて流血したり、色々あったそうです…。
母が後で教えてくれましたが…
結婚当初はたま〜に
遊びに来る程度でしたが、
娘が生まれてからは
月1は泊まりで遊びに行くし〜
より一層楽しい思い出が増えていってますよ〜♪
ちょっと寂しい気持ちもあるとは思いますが…σ^_^;
それにしても
兄さんは小説家みたいですね！
文章からその時の状況、緊張感などがヒシヒシと伝わってました〜
さすがです！
浅野salvatore晃一 (月曜日, 27 7月 2015 17:28)
のんたんたん、こんにちは^ ^
「そのとき」は立場によって皆んな違いますが共通してるのは
一種独特の緊張感があることでしょう
世は全てが無常
いずれは来ることと覚悟していていても心は常に動き回ります
実際会いたいとの連絡を受けてから実際に会いその言葉を聞くまでに
寛大に許すから絶対拒否？までの思いの川を心は何度行き来したことか（笑）
のんたんたんの父上の動揺度合いもかなりのものだったんですね
同じ父親としてよくわかります>_<
でもね。。。
これは点のような一時の寂しさと引き換えに見えにくい大きな喜びの訪れなはず
これは言い換えれば心の脱皮かな？（笑）
こうして僕も娘も一つ新しい生活と思いのステージに移行していのでしょう
そこで未体験の喜びや、もちろん苦難もあるかもしれません
でも。。。
喜怒哀楽に関わらず新たな体験ができるというのは有難い事、そう思うべきなんです（笑）
いつになく娘のようなのんたんたんには父親心理で話しちゃいました>_<
コメントありがとうね^_<